映画『怪物』は、
私たちの心の奥底に潜む「怪物」を暴き出す衝撃作です。
是枝裕和監督と坂元裕二脚本がタッグを組んだこの映画は、
カンヌ国際映画祭で日本映画初のクィア・パルム賞を受賞しました。
この映画の主人公は、
シングルマザーの早織とその息子の湊です。
湊は担任の保利先生から虐待を受けており、
同級生の星川という少年とも秘密の関係にあります。
ある日、湊は保利先生に「お前の脳は豚の脳だ」と言われ、
それがきっかけで事件が起こります。
早織は息子を守るために学校やメディアと対立し、
保利は社会から追い詰められていきます。
そしてある嵐の朝、
湊と星川は姿を消してしまいます。
この映画は、親・先生・子どもたちの3つの視点から物語が展開されます。
それぞれの視点から見える「怪物」は異なり、
真実も曖昧になっていきます。
観客は自分ならどうするかと考えさせられます。
また、作品にはLGBTQの要素も含まれており、
性的マイノリティの苦悩や希望も描かれています。
この映画の魅力は、
キャストや演出の素晴らしさです。
主演の安藤サクラと永山瑛太は熱演し、
特に子役たちの演技が印象的です。
黒川想矢と小林星蘭が演じる湊と星川の関係性は切なくも美しいです。
是枝監督の手腕も光ります。
美しい風景や音楽と対照的に、
人間の醜さや悲しみが浮き彫りになっていきます。
以上、劇場公開日2023年6月2日の怪物のレビューでした。
この映画は、社会的な問題を深く掘り下げた衝撃的な作品です。
人間とは何か、怪物とは何かを考えさせられる映画です。
ぜひ劇場でご覧ください